iPhone 3GS で情報を紡ぐ

nabehisa2009-07-11


第2世代iPod Touchは遊び以外に仕事でも大変便利と実感していた所に、iPod Touchの不満点が解消されたiPhone 3GSが登場。満を持して飛びついたのが2週間前でした。

この2週間、主に移動中にiPhone 3GSを使ってかなり仕事をしましたが、そこで感じた3GSの情報収集能力と情報統合能力の高さおよび不満点に関して感想を書いてみました。


 iPhone 3GSiPod Touchとは、動作速度、安定性、カメラ(静止画、動画)、ボイスなど機能面で異なる点は多々ありますが、3GSを使い始めてすぐに両者の一番大きな違いは通信の有無であることをまずは再認識(^^;

 4年以上前、それまでモデムを介して海外製PDAで通信を行っていた自分に、突然出現したW-ZERO3が教えてくれたことはまさに単体で通信できる端末の便利さでした。3GSは、建物の中はもちろん、外であっても予期せぬ場所で突然圏外になるので、厳密に言えばどこでもネットワークとはいきませんが(^^;、調べたいこと、見たいこと、同期しておきたいことを”ほぼ”どこでもすぐに出来る点はあらためて便利です。

 この、通信能力に加えて速さと安定感は、自分が掌グッズを使って快適に論文や発表資料などの「もの創り」をする上で、ホント大切だなぁと最実感しております。

  • 優れた情報の統合・連携能力

 3GSは、優れたUIと豊富なソフトのお陰で、メモ(手書き、録音、動画、静止画)、Web、GPS、辞書機能をサクサクと使うことが出来ますし、SugarsyncやDropboxなどのクラウドサービスとの親和性も良く、どこにいてもPC内欲しいデータを簡単に取り扱うことも出来るため、多種多彩な「情報」を従来の機種と比較しても、楽しくスムーズに収集出来ます。特に良い電波状況下におけるSafariの能力とクラウドサービスの扱いやすさは凄いなと思いました。

 もう一つ特筆ですべき点は、Evernoteの扱いやすさです。今回のEvernoteのバージョンアップで、ボイスメモも安定しましたし、一度に25件ずつ表示という制限も無くなったので使い勝手がとても上がりました。これで、情報を収集・発信するのみならず、情報の統合や連携がとても簡単になりました。

 PDAを使い始めた頃は、ノートブックは重く、ネット接続環境も未整備でした。このため、外付けキーボードを装着してメモを取ったり、PCの情報を切り出して持ち運ぶことも大きな役割としてPDAを使っていました。その後モデム+PDAという時期を経てスマートフォンを導入。PC経由ではなくともスマートフォンから直接Web情報を手に入れることが出来るようになりました。それでも、手に入れた情報の加工や整理をそのままPDA/スマートフォンで行うことは少し無理があり(楽しかったのですが(^^;;)、多くの場合はHotsync/Activesync後に再度PC上で取り出しながら加工、整理、仕上げ作業を行っておりました。

 一方、iPhone 3GSでは、便利なソフトとEvernote等との組み合わせにより、ある程度のレベルまで得た情報をiPhone 3GS のみで加工・整理・統合することが可能ですし、便利なクラウドサービスのお陰で、Hotsync/Activesyncすることなく、PCの種類をあまり考えることなく、MacでもWindowsでも仕上げ作業に入ることが出来る点が隙間時間を効率良く使うために便利な気がします。

  • 豊富な材料と優秀な弟子達

 アイデア出しはMindmap風の作業可能なZeptoPad、アウトライン作りはZeptoLiner。思いつきや会議などの録音メモはHT RecorderやEvernote、手書きメモはFastFingaやPaint for Evernote。どれも立ち上がりが速くて余分な作業が少なくて済む良いソフトです。Web情報収集も軽快です。PC上にある過去資料はDropboxやSugarsync経由で閲覧したり掌へ落としたり。PDFデータもスムーズに利用出来ます。また付属のカメラを使った情報も、色々なソフトを使うことでこれまでと違った視点で利用することが可能です。何よりも作業中に落ちたり固まったりしませんし、立ち上がりも速いです。

 結果として思考の邪魔が入らないので気分が良く仕事を行うことが出来ます。そうして集まった豊富な基礎データは、Evernote上にドンドン流し込み。流し込む際も通信速度が結構速いので快適です。途中空いた時間で、その辺にあるPCやMacを状況に応じて使い分けながら、Evernote上にある情報を並べ替え、つなげて、加工して仕上げ。変な例えですが、これまではPDAで集めた材料を決まった調理場の決まった道具で一から料理していたのが、今は材料の質も多彩になり、優秀な弟子(ソフト)が作った下ごしらえを色々な調理場で料理している感覚です。

  • 不満点

 もちろん不満も。まずは内部フォルダへのアクセスがもっと簡単であると良いと思います。これは元来、micro SDや内部メモリにデータを保存してきた習慣がそうさせているのかもしれませんが、ローカルでデータを保持しておきたい気持ちがベースにあるためです。一方で、使うデータにもよりますが、ローカルよりもクラウドにデータ預けることの便利さをヒシヒシと感じていることは言うまでもありません。

 次に入力環境です。いくら入力しやすくなっても、フリック出来るようになっても、個人的には打ちやすいキーボードの方が合っています。特に歩きながら予定を入力する時などは快適とは言えません。変換も素のままでは今ひとつです。ATOK for iPhone/iPod Touchなんて夢なのでしょうか(笑)。もちろん、そういった作業はPCかBlackberry boldに預ければ良いわけで、iPhoneの良さが消えてまでハードキーボードが必要とは思えません。実際、座って入力するならば、打ちづらいキーボード付き端末よりも入力しやすいと思います。また、長文ではなく短文、もしくはワンフレーズでアイデア出しする習慣を身につける良い練習になる気もしています。

 後は通信エリア、バッテリー持ち、解像度、モデム機能解放。これは現状では仕方ないと思いますが、将来的には。。。。

 総合的には不満を上回る魅力を持つiPhone 3GS。自分の欲しい情報を効率良く収集し、それを統合する掌グッズとして、買って良かったと思っています。次は、現在使っているアプリをまとめてみたいと思います(ストレスを発散するように文章を打ち込んでいます (^^;;)。