人間はだれでも狂気の森に迷いこむ…

nabehisa2007-11-13


昭和から平成に元号が変わる頃、演劇を時々見に行きました。折しも「夢の遊眠社」の野田秀樹さんや「第三舞台」の鴻上尚史さんが小劇団ブームを巻き起こしていた時代。楽しかったです。
自分にとって最も印象に残っている舞台は、バイトでお金を貯めて京都の南座まで遠征して見た「夢の遊眠社」の代表作、『贋作・桜の森の満開の下』。今日のタイトルはその副題でもあります。
それまで聞いたことのない巧みな言葉遊び、ハイスピードな話の展開、宇宙の起源にまで話しが及ぶ壮大さ、そして最後に会場全体に桜が舞う中で耳男が夜長姫を殺すシーン。18年を経過した今でも色々な言葉や場面が印象深く蘇ってきます
何故こんな話題を出したかと言いますと、最近の自分のPDA/スマホ状況を振り返ってみて、「贋作・桜の森の満開の下」の一シーンを思い出したからで、、、
以下はの台詞は耳男とマナコが舞台に固定された自転車をこぎながら話し合っている場面。。。。。

耳男;俺、自転車に乗って下り坂になるといつも思う。この世が永久に下り坂ならどんなに楽だろう。でも、もしずっと下り続けていたら、お前はどう?
マナコ;とことん下り続けるほどに人間は強くない。どこかでブレーキをかけて引き返す。
耳男;そうだろう、それが人間だろう。ところが夜長姫にはそれがない。とこしえに、下り坂を笑いながら、自転車で下りつづけていくような姫だ。しかも荷台に地獄を乗せて。

PDA/スマホを使っていて、速くなった、安くなった、美しくなった、格好良くなった、便利になった、、、、、ついついその誘惑に負けて坂を下るように買い換え続けている自分を見ているようで(^^;
いくら好きで応援していると言っても、どれほど使っていて便利で楽しいと言っても掌にPDA/スマホを乗せて地獄に行ってはいけない、狂気の森に迷い込んではいけないと自戒の念をいだいている今日この頃です(^^;

そうそう、こんな台詞もありました。

耳男;姫様、永遠に下り続けて行くほどオレは強くない
夜長姫;だめよ 転がるように下って行くと言ったのは、あなたなのだから
耳男;でも今日でなくてもいい
夜長姫;今日でなくてはいけないわ
耳男;初めて会った日も、こうして桜の花といっしょにこんな話を....
夜長姫;そのときおぶっていたのは私、、、、鬼!

愛すべきX7501が鬼に見えてきたりw
さて、週末にでも「贋作・桜の森の満開の下」を一緒に見ながら買ってしまったことを説明(釈明)し、狂気の淵から帰還しますか・・・・・・(^^;;
あぁ、でも赤い小さな鬼が誘惑を (+_+)\バキッ